怨みを以て怨みに報ゆれば怨みは止まず。
徳を以て怨みに報ゆれば怨みは即ち尽く。
怨みに対して怨みで報復すれば、相手はまた新たな怨みを抱くことになる。
奪い合いの構図は永久に争いの火種を残してしまう。
相手の罪を許し、寛容と善意の心で相手に対するならば、怨みは消えるであろう。
道 人を弘め、人 道を弘む。
道心(どうしん)の中(うち)に衣食(えじき)あり、
衣食の中に道心なし。
すべての人は、道を歩き、道を行うために生まれてきた。 自分に与えられた仕事を十二分にやろうという気持ちで毎日を過ごしさえすれば、生活は自然についてくるものである。
生かされていることに感謝する気持ちを失ってしまい、単に生きることが生活で、楽しく生きることがより良き生活だと考えていると、最後は動物以下の暮らしになってしまう。
伝教大師は、自分の目的に向かって地道に前進していくことの大切さを教えておられるのである。
悪事は己れに向かへ、好事は他に与へ、
己れを忘れて他を利するは、慈悲の極みなり。
しやすい仕事は他の人にまわし、苦労のいる仕事は進んで引き受け、他の人のあやまちは広い心で許し、社会の人のために積極的に奉仕する、これこそ相手を思ういつくしみ(慈悲)の究極の姿である。
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